私たちは看護学研究を倫理面から
支援することを目指しています。

はじめに

本コンサルテーションは、「看護研究倫理コンサルテーションを活用した研究倫理教材の作成及び教育の実施と評価」研究の一環として、科学研究費助成事業(基盤研究(C)課題番号:22K10650)の助成を受けて実施しています。当研究班では、看護学研究者、看護学研究の倫理審査委員、その他看護学研究に関わる方の研究倫理に関するご相談を受け、必要な情報提供や助言をさせていただきます。

活動紹介

看護学研究倫理コンサルテーションについて

看護学研究の研究倫理審査を行う委員や看護学研究者は双方が様々な思いや課題を抱えていることが明らかになっています。
例えば、

  • 委員の研究倫理や指針の内容に関する知識不足や、看護学研究の独自性を看護学以外の委員が理解しにくい
  • 看護学研究者側も、インフォームド・コンセントの手続きが倫理的にも法的にも適正かどうか判断できなかったり、看護学研究の特性や意義が委員に理解されない等の思いを抱えている

などがあります。これらの問題は審査委員や研究者自身の認識・知識不足に起因するものも少なくありません。

これまで私たちが行ってきた調査やコンサルテーションの中で、研究倫理教育と相談窓口を望む声を聞いていますが、研究倫理相談窓口はいくつかの機関で実施されているものの、機関内に窓口を有するところは少なく、また看護学研究を中心に行われてはいません。

そこで我々研究班は、オンラインで広く看護学研究に関わる人たちが利用できる研究倫理コンサルテーションを実施することとしました。

本活動の目的は、コンサルテーションを行い相談者に助言を行い、相談者の支援をおこなうことと、コンサルテーションの内容を研究班で検討し、看護学研究において研究者が困難を感じている研究倫理の問題を明らかにするとともに、コンサルテーションの利点や課題を明らかにすることです。

本活動は、個々の研究者の研究倫理に関する疑問等に応えるに留まらず、将来、看護学研究の倫理支援体制の構築や、教材を提供することにより、より広い範囲での効果的な看護学研究倫理支援に貢献することを目指しています。

チーム紹介

研究実施体制

  • 有江 文栄

    有江 文栄
    (研究代表者)

    国立精神・神経医療研究センター

    米国ジョージタウン大学、臨床生命倫理センターで生命倫理の研究、臨床倫理コンサルテーションの研修を受け、また医学部や看護学部の医療倫理教育にも携わっていました。その後上智大学の教員等を経て、現在は、学問分野にかかわらず幅広く研究倫理相談・教育・研究を行っています。研究倫理の基本から研究倫理関連の指針や個人情報保護法等に関すること、その他どのようなことでもお気軽にご相談ください!

  • 大西 香代子

    大西 香代子
    (研究分担者)

    名古屋市立大学

    精神科で約10年の臨床を経験した後、京都大学大学院医学系研究科で医療倫理学を学びました。その後、看護系大学で教員として19年間勤務、その間、病院の臨床倫理委員会委員のほか、園田学園女子大学倫理審査会で委員、甲南女子大学倫理審査委員会で委員長を務めました。この研究計画ではなぜダメなのか、ではなく、どうしたらこの研究を倫理的に実施できるか、を考えたいと思っています。

  • 箕輪 千佳

    箕輪 千佳
    (研究分担者)

    上武大学

    群馬大学大学院保健学研究科博士課程修了。リラクセーションを看護に取り入れるエビデンスを作るための介入研究が専門です。高崎健康福祉大学で倫理委員をした経験や、様々な大学や病院で介入研究の倫理審査を受けた経験から、看護学における介入研究の研究計画に関して、また、普段行っている看護実践を研究として発表したいと考えている臨床のナースに対して、支援できればと思います。

研究協力者

  • 中原 純 中京大学
  • 瀬戸山 晃一 京都府立医科大学

*基本的には研究代表者と研究分担者で相談対応いたします。
統計の専門家や法律の専門家の助言が必要となる場合、上記の研究協力者が検討に加わります。

コンサルテーションの手順

1. 相談の申し込み

  1. 相談者は、下記のお申し込みフォームより、必要事項をご入力いただき相談申し込みを行ってください。

    本コンサルテーションは、科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)による研究:「看護研究倫理コンサルテーションを活用した研究倫理教材の作成及び教育の実施と評価」の一環として実施しています。よってご相談内容に関する情報を当該研究に使用させていただくことを、予めご了承ください。なお、相談者の氏名やご所属の機関名、連絡先等をご提供いただいた場合でも、相談者の個人が特定される情報は研究代表者のみが保管します。また、オンラインでの対面コンサルテーションを実施する場合や、共同研究者で対応の検討をする場合、個人が特定される場合がありますが、その場合であっても、収集したデータは研究代表者のみが保管・管理を行います。
    ご相談内容を研究に利用することについて、相談申し込みのフォームで同意確認をさせていただきます。相談後であっても研究結果がまとめられるまでは同意撤回が自由にできますので、途中で研究協力を辞退されたい場合は、いつでもメールでご連絡ください。同意撤回された場合は、ご相談者の情報は廃棄させていただきます。

  2. ご相談申し込みを確認しましたら、当コンサルテーションチームより、メールにてご相談を受け付けたことをご連絡します。
  3. コンサルテーションの目的は、問題を明確化した上で、助言や必要な情報提供を行うことであり、ご相談者の代わりに意思決定やご相談者に指示を行ったり、機関や他者との間で発生した問題の仲裁等を行うものではございませんので、予めご了承ください。

2. コンサルテーションの実施

  1. ご相談内容は、個人が特定される氏名等の個人情報を除き、コンサルテーションチームと共有し、検討いたします。
  2. 助言を行うにあたり、確認事項や追加で必要な情報がある場合は、メールにて相談者にご連絡いたします。
  3. コンサルテーション結果は電子書面(PDF)にて、メールでお返しいたします。追加の質問などがあれば、メールで対応させていただきます。
  4. オンライン(ZOOM)での対面コンサルテーションも実施しています。ご希望される方は申し込みフォームに☑をお願いいたします。

お問い合わせ窓口

研究責任者 国立精神・神経医療研究センター 病院、
臨床研究・教育研修部門、臨床研究支援部、生命倫理室

有江 文栄

〒187-8551東京都小平市小川東町4-1-1
国立精神・神経医療研究センター
042-341-2712(内線)7835