活動紹介
看護学研究倫理コンサルテーションについて
看護学研究の研究倫理審査を行う委員や看護学研究者は双方が様々な思いや課題を抱えていることが明らかになっています。
例えば、
- 委員の研究倫理や指針の内容に関する知識不足や、看護学研究の独自性を看護学以外の委員が理解しにくい
- 看護学研究者側も、インフォームド・コンセントの手続きが倫理的にも法的にも適正かどうか判断できなかったり、看護学研究の特性や意義が委員に理解されない等の思いを抱えている
などがあります。これらの問題は審査委員や研究者自身の認識・知識不足に起因するものも少なくありません。
これまで私たちが行ってきた調査やコンサルテーションの中で、研究倫理教育と相談窓口を望む声を聞いていますが、研究倫理相談窓口はいくつかの機関で実施されているものの、機関内に窓口を有するところは少なく、また看護学研究を中心に行われてはいません。
そこで我々研究班は、オンラインで広く看護学研究に関わる人たちが利用できる研究倫理コンサルテーションを実施することとしました。
本活動の目的は、コンサルテーションを行い相談者に助言を行い、相談者の支援をおこなうことと、コンサルテーションの内容を研究班で検討し、看護学研究において研究者が困難を感じている研究倫理の問題を明らかにするとともに、コンサルテーションの利点や課題を明らかにすることです。
本活動は、個々の研究者の研究倫理に関する疑問等に応えるに留まらず、将来、看護学研究の倫理支援体制の構築や、教材を提供することにより、より広い範囲での効果的な看護学研究倫理支援に貢献することを目指しています。